2008年12月27日土曜日

WAVE - 2枚組ベストアルバム“est”
Disc1:[ WAVEディスク ] 収録曲
Annabel&三澤秋「トーイング」

2008年12月29日にリリースされた作品について、
同年12月27日、別の場所に書いたものが残っていたので転載です。

作品に関するリンクはこちら。
http://felinegroove.shop-pro.jp/?pid=13852696


2010年10月29日(金曜) 記


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WAVEのMorriganさんより御依頼戴き、
TYPE-MOON の世界観で書かれた短篇小説のアンソロジー、
"Notes." を想ってつくられた楽曲に
詞を添えさせて戴くことになりました。

歌姫はAnnabelさんと三澤秋さん。
ふたつのボーカルラインがある歌です。

オリジナル → アンソロジー小説 → 歌
ということは、3次創作、という表現で合ってるんでしょうか、
でもWikipediaに寄れば、"Notes."の作者 奈須きのこさんは
TYPE-MOON のメンバーのようなので、
そうでもないのかな...わかりません。

"Notes."を御存知の方と そうでない方では、
詞の印象が違うものになると思います。
印象は違っても
"Notes."を知らない人でも大丈夫な内容にしたつもりです。





Morriganさんより、
「印刷物のリミットがあるので、
お頼みした全曲のタイトルだけ先に
この日のこの時間までにお願いしますね。」
と御依頼戴いていたんです。

リミットより既に30分程度遅れた頃、
"Du Ney Ci" と "ストラップ" のタイトルが決まりました。
でも、あと1曲...この詞のタイトルが決まらない...。

取り急ぎ、前述の2曲のタイトルを送るメールに、
「もう1件に関しては、あと数分待ってください!」
と、添えて送信。

この時点で、詞は途中までしか出来上がっておらず、
残りの部分は漠然としたイメージだけでした。
なんとなく全体像はあるんです。でも、
そこからタイトルに結び付く言葉を思い浮かべようとしても
安易な単語ばかりが出てきてしまいます。

ここでふと思い立ち、弟に電話しました。

彼は、詞の中で描きたい部分について
精通しているというか、そちらの業界の人なので、
色々質問をぶつけて、そこに出てきた言葉をタイトルとしました。
(当楽曲の詞を既に御存知の方は、
このエントリ最下にタイトルの意味を記載しておきましたので、
もし興味がおありでしたら、御覧下さい。
タイトルに関しては、楽曲を聴く前に知ってしまうと
曲の印象に障るかもしれませんので、
お読みになるなら事後をお薦め致します。)

ひとつ前のメールより数分後。無事に
"トーイングというタイトルで!" と送ることが出来ました。
いえ、“無事に”ではないですね、
只でさえ遅れた上で 更に遅れる結果となりました、
すいません。



TYPE-MOON という名前は
目にも耳にもしていて知っているんですが、
複数リリースされているというその作品の内容は
ほぼ知らない身です。

もし、この詞を気に入ってくださったとしたら、
それは 他の作品を知らなかったことが偶然
良い作用となったものと思われます。

Morriganさんに"Notes."を読ませてもらい
TYPE-MOON に興味を持ってしまったので、
もう 知らないまま詞を熾すことはできなくなるものと思われますが、
その時も、誰かが気に入ってくれる言葉が添えられますよう。

未来のnk、後は頼んだ。





“トーイング”の意味:
(楽曲や詞を把握してからお読みになることを推奨します。)



“トーイング”は 航空業界用語かと思われます。
機体を牽引車両等で後退させ、自律前進可能な位置まで移動させることです。

多くのジェットエンジン機体は、静止状態から効率的に自律後退できないらしく、
際して牽引車両によってバックするのが常らしいです。
日本語的発音は、英語のingにあるような左肩上がりの形ではなく、
ぜんぶ高く平坦に発するか、もしくは頭の「ト」だけやや低くして後は高く発するか。

Morriganさんにお訊きしたところ、
"Notes."に登場する航空機は
プロペラ型ではなくジェットエンジン型なのではないだろうか
とのことで、この言葉にさせて戴きました。

航空機内の人を判別できるような距離に
見送りできる場所がある空港は
実在するんでしょうか、その点は知りません。
保安上のことを考えると、
作詞担当の脳内にしかない空港なのかもしれません。

弟について、
“そちらの業界の人”と書きましたが、
彼は、レシプロ機専門の航空機整備士なんです。
レシプロ機もジェット機も、同じ用語を使うことはありそうだからと
安易に訊いてみたことが倖いしました。

このタイトルは、一般的には判り辛いものと思われますが、
この詞に対して このタイトルであることは、
個人的にはとても気に入っています。
英語表記ではなくカタカナ表記であることも。



2~3年前、作詞を担当させて戴くようになってようやく
こちらの音楽の業界のことを知るようになりましたが、
弟はそれよりもずっと以前から この業界を知っていて、
当時よりWAVEさんのファンでもあるそうです。
WAVEさんの曲に詞を添えさせて戴くに際して、
弟が一番驚いてました。

彼にはスペシャルサンクス代わりに
このCDを贈ろうと思います。

ありがとうね。





Notes.は何故か、
脳内で映像化し易い作品でした。
このちっぽけな脳の中で、
実写になり、アニメーションになりました。
声は聞こえず、
SEだけが その世界の空気を揺らしていました。

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